Fortigate ネットワーク 社内検証

Fortigateを用いたIPoEの設定(IPv4 over IPv6向け)

2021年5月26日

最近インターネットサービスで「IPoE」という言葉をよく耳にします。
弊社にもIPoEの環境が準備できたのでFortigateを使った設定を紹介します。
(IPv4 over IPv6向けの設定となっております)

設定の解説の前にIPoEについて簡単に解説します。

IPoEはなぜ速いのか

IPoEはPPPoEよりも通信速度が速いと言われています。
実際に計測してみたところ確かに早いです。

・IPoE(OCN):下り367Mbps、上り116Mbps
・PPPoE(ASAHIネット):下り108Mbps、上り91Mbpsd
・速度計測:https://www.speedtest.net/ 13:00計測 接続先:i3D.net - Tokyo

この理由について簡単に解説していきたいと思います。

IPoEとは

IPoEとはPPPoEに代わるIPv6専用の接続方式です。

どちらの通信も契約したプロバイダーの機器(家にあるものではないです)を経由してからインターネットへと接続します。
そのプロバイダーまでは他のプロバイダーと契約している人と同じ経路を通っていきます。

PPPoEの場合はプロバイダーの機器に接続する前に網終端装置と呼ばれる機器を経由します。
契約しているプロバイダーに関係なく網終端装置にアクセスするため混雑しやすいです。

IPoEの場合は網終端装置を経由せずに直接プロバイダーの機器に接続しに行くので混雑する区間を通らずに済みます。その為通信速度が速くなります。

IPv4 over IPv6とは

IPv4 over IPv6とはIPv4の通信がIPv6の経路を通るための技術です。

IPoEはIPv6限定の接続方式であるためIPv4の通信は通常は通ることができません。
また、多くのWEBサイトはIPv6に対応していないため、IPv6ではほとんどのWEBサイトを見ることができません。
IPv4 over IPv6を利用することで、IPoEの通信速度の恩恵を受けながら従来と変わらずインターネットサーフィンをすることができます。

IPv4 over IPv6にはいくつかの方式があります。この方式によっては対応している機器、設定方法が異なってくるので注意が必要です。

次にFortigate設定を解説いたします。

構築環境

回線:フレッツ光ネクスト

プロバイダー:OCN

ルーター:Fortigate100E(ファームver6.4.2)

対応ルーターは各プロバイダー等によって異なります。

OCNの場合はいろいろありますが、Fortigateならばファームver6.4.2以上に対応した機種が必要です。

小さめなモデルですとFortigate60Fなどが挙げられます。

 

Fortgateの設定

CLIの開き方

設定にはCLI(コマンドライン)を用いる箇所があります。CLIはweb管理画面からもアクセスできます。web管理画面の右上の「>_」をクリックすることでCLIが開きます。

IPoE(OCN)001

wanインターフェイスのIPv6の情報要求を有効化する

FortiGate-100E # config system interface

FortiGate-100E (interface) # edit wan1

FortiGate-100E (wan1) # config ipv6

FortiGate-100E (ipv6) # set dhcp6-information-request enable

FortiGate-100E (ipv6) # set autoconf enable

FortiGate-100E (ipv6) # set unique-autoconf-addr enable

FortiGate-100E (ipv6) # end

FortiGate-100E (wan1) # end

 

2行目の「wan1」はONUと接続しているwanポートを指定してください。

 

VNEトンネルの有効化

FortiGate-100E # config system vne-tunnel

FortiGate-100E (vne-tunnel) # set status enable

FortiGate-100E (vne-tunnel) # set interface wan1

FortiGate-100E (vne-tunnel) # end

 

3行目の「wan1」は前項で設定したインターフェイスと同様です。

VNEトンネルとはプロバイダーとの間に設ける通信トンネルです。

Fortigateのインターフェイス一覧の画面に「vne.root」というインターフェイスが追加されます。
この時点で「vne.root」がグローバルIP(v4)を受け取ります。

以降の設定はweb管理画面から設定が可能です。Fortigateの表示機能設定より項目を有効化させましょう。

 

表示機能設定を変更する

web管理画面より[システム]-[表示機能設定]を開きます。

その他の機能の[DNSデータベース]を有効にします。こちらを有効にすると[ネットワーク]内に[DNSサーバ]という項目が追加されます。

IPv6の設定も行う場合はコア機能の[IPv6]も有効化します。

IPoE(OCN)002

※本記事ではIPv6の設定を紹介しませんが、接続の確認もできております。
(対応したWEBサイトは少ないですが・・・)

 

DNSを[0.0.0.0]に設定する

web管理画面のメニューより[ネットワーク]-[DNS]を開き、[DNSサーバ]の「指定」を選択し、[プライマリ・セカンダリDNSサーバ]を[0.0.0.0]と入力し、下部の[適用]をクリックします。

IPoE(OCN)003

LANインターフェイスをDNSサーバーに設定

[ネットワーク]-[DNS]を開き、[インターフェイス上のDNSサービス]の[新規作成]をクリックします。

IPoE(OCN)004

[インターフェイス]にLANのインターフェイスを選択し、[モード]は[再帰的]を選択します。

今回は[internal]という名前のLANインターフェイスを使用しているので[インターフェイス]は[internal]を選択しております。

IPoE(OCN)005

PC側のDNS設定はこの時指定したLANインターフェイスのアドレスを設定してください。

 

スタティックルートの設定

[ネットワーク-[Static Routes]を開き、新規作成をクリックします。

IPoE(OCN)006

宛先を[0.0.0.0/0.0.0.0]に設定し、インターフェイスは[vne.root]を選択します。

IPoE(OCN)007

その他設定

以降はお好みのポリシー等を設定することで利用可能となります。ポリシー等を設定する時に、普段なら[wan1]等のwanのインターフェイスを選択する箇所を[vne.root]に置き換えます。

例えば、インターネットへの接続用のポリシーで普段はlan -> wan1と設定するところをlan -> vne.rootと設定します。

IPoE(OCN)008

IPsecVPNやSSL-VPNの設定も同様の置き換えで設定することができます。

拠点間通信やリモートアクセスも問題なくできました。

wanインターフェイスとして[vne.root]を使用することやDNS以外はいつもの設定とほとんど変わりがありませんでした。

 

以上で解説は終了です。

 

最後に

プロバイダーによってIPoEの接続方式が異なります(MAP-E,DS-Lite等)。この記事と同じ設定をしても、接続方法が異なれば接続できません。

弊社では検証実績のあるOCN&Frotigateの組み合わせをお勧めいたします。

IPoEの導入をお考えの方がいらっしゃいましたら、ご相談お待ちしております。

 

参考文献:FortiGate IPoE設定ガイド OCN IPoEサービス編
URL:https://www.fortinet.com/content/dam/fortinet/assets/deployment-guides/ja_jp/fg-ocn-ipoe-fixip.pdf

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